第16回「月惑星に社会を作るための勉強会」
日時:2021年11月8日(月)17:00-19:00
会場:オンライン
参加方法:ここから参加登録をお願いいたします(申込締切:11月7日(日)17:00)
■アジェンダ:
1)「京都大学有人宇宙学研究センターの活動」
山敷 庸亮 氏(京都大学総合生存学館・教授 SIC有人宇宙学研究センター長)
京都大学SIC有人宇宙学研究センターでは宇宙への人類の進出やハビタビリティをテーマとして,人類が他の天体で宇宙社会を構築する際に考えてゆかねばならない学問体系の構築を目指し,惑星居住,宇宙生命,宇宙医療,宇宙森林,宇宙海洋,惑星科学,など広範囲の研究を統合して新しい学問体系を構築することを目指した活動を展開しています.月や火星の持続的滞在を目標とし,さらにそれらの知見をもとに地球における人類の持続的発展にもつながるための開発哲学と目標の設定を定めています.特に大きな着眼点は,今まで宇宙での「生存基盤」の整備のみを構想してきた宇宙開発に「地球生態系」をどれだけ持参すべきかどうか?という点を根本的に掘り下げることを大きな目標とし,地球生態系を「コアバイオーム複合体」と解釈し,月・火星にはそれらを選定した「選定コアバイオーム」を持参し,それらをベースに宇宙での生存基盤と社会構築を構想しています.
同テーマをもとに,科研費・学術変革領域研究への応募をはじめ協賛企業との共同研究を立ち上げています.この研究活動は月に限定したものではありませんが,「月における社会の構築」という本勉強会との接点を探ることや,双方の議論やexchangeをより深めることを意図して,研究活動全般の現状を紹介します.
2)「宇宙で魚を食す-宇宙養殖のはなし」
遠藤 雅人 氏(東京海洋大学・准教授)
宇宙居住における食料生産は古くから研究が行われており,陸上植物の栽培を中心に
様々な食料生産が提案されてきた.一方,宇宙での脊椎動物実験には黎明期から魚類が用いられ,繁殖も含めた多くの成果を残してきた.これらの背景から我々は宇宙居住時の食料生産,特に動物性タンパク質および脂質の供給源に魚類養殖が利用可能であるかの検証を,食用魚のティラピアを養殖対象種として続けてきた.まず一つ目は物質フローが制御された水圏生態系を創出し,その中で養殖を行う研究である.もう一つは異なる重力下で魚類をはじめとする水生生物がどのような応答を示すのか,特に低重力や微小重力下で物質循環型養殖に用いる生物が飼育可能な条件はどのようなものなのかについての検証である.今回はこれらの研究成果を紹介し,宇宙養殖の可能性について探る.
3)第15回勉強会アンケート結果 等
———-
※月惑星に社会を作るための勉強会(ムーンビレッジ勉強会)ウェブサイト
http://www.jasma.info/moonvillagestudy/