宇宙惑星居住科学連合第六期代表挨拶

2026年度からの第六期役員の代表を務めることになった泉 龍太郎です。

日本宇宙航空環境医学会の代表として本連合に参加しており、また定年再雇用で非常勤の立場ですが、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術部門に勤務しています。

国際宇宙ステーション(ISS)は、2030年には終わりを迎える予定ですが、同時に月面を目指したアルテミス計画、及びその延長線上として日本も参画している月面ローバーを初めとする有人月面活動が予定されています。地球低軌道の活動としては、ISSは終わりを迎えるものの、民間主体の宇宙ステーション、また民間人による宇宙旅行も現実のものとなりつつあります。

ただ宇宙は過酷な環境であり、単に行くだけでも、医学的には多くの課題が残されており、まして長期滞在、あるいは宇宙に住むとなれば、数多くの課題に取り組む必要があります。民間人の宇宙旅行・滞在にも多くの課題があります。有人宇宙開発に関わる学術的研究や技術開発を通し、このような課題に取り組むことが、まさにこの連合に参画する各学会・研究会の役割りであり、またそのことを広く情報発信することも求められています。

このような状況を踏まえ、参加する各学会・研究会が、各々の活動を推進すると同時に、さらには連合自体の、団体としての位置付けの見直し、関連する他の学会・研究会の新たな参加も、今後の課題です。その一方で、いずれの学会・研究会においても、若手の活躍が目覚ましいことが、本連合を含めた、有人宇宙探査の将来性について、非常に期待されます。例えば若手を中心に、宇宙における妊娠・出産を通じた世代交代に関する議論も交わされています。

人類の宇宙滞在に向けて、今後とも本連合を初めとする、関係諸氏の一層の活躍と連携に期待したいと思います。

宇宙惑星居住科学連合 第六期代表
泉 龍太郎
(日本宇宙航空環境医学会・理事、
宇宙航空研究開発機構有人宇宙技術部門)
2026年4月1日

 

 

宇宙惑星居住科学連合第六期活動計画

【2026年4月~】

1)国際連携(国際間の科学者の相互信頼の構築,国際的学会の誘致)
・国際学術大会情報を周知する.
・宇宙環境利用シンポジウムにおいて国際的セッションの提案をする.

2)新分野開拓(学協会間連携,異分野の研究者らによる人類の宇宙進出に関わる新学問分野の創生)
・加盟団体の拡充をめざす.
・加盟団体同士の連携(学協会間連携シンポジウムの開催とその成果の公開).

3)研究環境の整備(研究施設・研究費の充実)
・大型予算の獲得努力.

4)啓発活動(次世代の育成,若手研究者の進路開拓,研究職の充実,教科書問題など)
・「若手の会」の活動支援をする.
・HPの充実をめざす.

5)社会貢献(産官学連携による新しい産業の創出など一般社会への科学の還元)
・アウトリーチとして月惑星に社会をつくる勉強会(略称:ムーンビレッジ勉強会)との連携.

6)各種評価・提言への積極的参加(研究開発・プロジェクト等における評価委員,審査委員の推薦)
・例年どおり,積極的に参加する.

宇宙惑星居住科学連合設立の経緯

2014年10月に韓国ソウルで開催された10th Asian Microgravity Symposiumの折、当時の日本宇宙放射線研究会(JASRR)大西 武雄会長、日本マイクログラビティ応用学会(JASMA)石川 正道会長、および日本宇宙生物科学会(JSBSS)高橋 秀幸理事長が会合を持ち、本連合構想を実現することで一致しました。その後、連合の名称を「宇宙惑星居住科学連合」とすることにし、活動方針、規約、運営体制等を整備し、3学協会の承認を得るとともに、日本宇宙航空環境医学会(JSASEM)にも加盟の合意をいただき、2016年1月18日の4学協会による宇宙惑星居住科学連合の発足に至りました。当連合の発足後は、連合の趣旨に賛同する生態工学会(SEE)、宇宙人類学研究会、京都大学宇宙総合学研究ユニット、東京理科大学スペース・コロニー研究センター、徳島大学大学院医歯薬学研究部宇宙食品産業・栄養学研究センター、同志社大学宇宙医科学研究センター,千葉大学大学院園芸学研究院附属宇宙園芸研究センターが参画し、現在の体制となっております。
宇宙惑星居住科学連合の運営体制は、第一期、第二期の高橋 秀幸代表(当時JSBSS理事長)、第三期の藤田 修代表(当時JASMA会長)、第四期、第五期の高橋 昭久代表(当時JASRR会長)を引き継ぎ、2026年4月より第六期の体制へと移行します。

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