宇宙空間および月や火星など惑星での長期活動を科学する

宇宙惑星居住科学連合代表 挨拶

宇宙惑星居住科学連合,発足・調印式

 現在、人類は様々な宇宙活動を経て、月、さらには火星への進出・長期居住を具体的な目標として掲げています。今までの宇宙での科学実験により、宇宙の特徴的な複合環境が広範な物理・化学・生命現象に強く影響する事実が明らかになってきました。例えば、重力生物学分野では、生命の基本原理やメカニズムに関する従来の知見の多くが、地球の1G環境に依存していることが示されました。また、物理化学分野では、宇宙での微小重力環境に注目して、地上では測定困難な現象が発見・解明されています。このような科学的なインパクトに加え、工学・医学・薬学・健康科学・農学・環境学などの応用科学分野でも、宇宙への進出や宇宙環境の利用を通して、様々なブレークスルーがもたらされています。さらに、宇宙での人類の長期居住は、社会学や心理学など、人文社会系の様々な分野に対しても、新たな発展の機会を提供しつつあります。
 このように、宇宙環境に関わる研究は、人文社会系・理工系・生物系の極めて広い学問領域に渡っています。今まで、宇宙環境利用科学の研究者は、それぞれの研究に近い既存専門分野を中心に活動してきましたが、最近の急速な分野の枠を超えた複合領域化や科学と技術の融合、あるいは人文社会系と自然科学との連携に、十分に対処できない状況が生じています。これらの課題に対処し、学際領域としての科学を確立して、宇宙における人類の発展を総合的に図るためには、関連した分野の学術団体が、それぞれの活動を一層発展させると同時に、連携を強化することが必要です。
 そのような情勢を踏まえ、2014年10月に韓国ソウルで開催された10th Asian Microgravity Symposiumの折、大西 日本宇宙放射線研究会(JASRR)会長、石川 日本マイクログラビティ応用学会(JASMA)会長、および髙橋 日本宇宙生物科学会(JSBSS)理事長が会合を持ち、連合構想を実現することで一致しました。その経緯は、2015年の宇宙環境利用シンポジウムでも紹介させていただきました。その後、会合を重ねて、連合の名称を「宇宙惑星居住科学連合」とすることにし、活動方針、規約、運営体制等を整備し、3学協会の承認を得るとともに、日本宇宙航空環境医学会(JSASEM)にも、趣意書を添えて連合への加盟を打診いたしました。その結果、JSASEMからも連合への参画を表明していただき、2016年1月18日の4学協会による宇宙惑星居住科学連合の発足に至りました(写真を参照)。尚、加地JSASEM理事長は都合で連合発足式に出席できず、当日の合意書の作成を出席者に委任していただき、それに後日署名するということになりました。
 今後、理工学系だけでなく、社会・人間科学の分野も含めて、関連する学協会に幅広く、連合への参画を呼びかけていきます。

 

東北大学大学院生命科学研究科 教授

高橋秀幸

 

宇宙惑星居住科学連合,発足・調印式
「宇宙惑星居住科学連合」発足・調印式 (2016年1月18日)
左から、石川JASMA会長、髙橋JSBSS理事長、大西JASRR会長

宇宙惑星居住科学連合規約

2016年1月18日制定

2017年11月14日改正

 

【総則】
1. 本連合は、宇宙惑星居住科学連合(Science Union of Human Planetary Habitation in Space)、略称 SUHPHSと称する。

 

【目的及び活動】
2. 本連合は、広く自然科学の基礎科学から応用科学、さらには人間科学・社会科学に及ぶ英知を結集し、学協会・個人の連携、連合を図り、人類の宇宙での長期居住を可能とする宇宙惑星居住科学の発展を目指すとともに、若手研究者の育成、国際会議の企画・運営および社会への還元を行うことを目的とする。
3. 本連合は、前条の目的を達成するために次の活動を行う。
 1)国際連携(国際間の科学者の相互信頼の構築、国際的学会の誘致)
 2)新分野開拓(学協会間連携、異分野の研究者らによる人類の宇宙進出に関わる新学問分野の創生)
 3)研究環境の整備(研究施設・研究費の充実)
 4)啓蒙活動(次世代の育成、若手研究者の進路開拓、研究職の充実、教科書問題など)
 5)社会貢献(産官学連携による新しい産業の創出など一般社会への科学の還元)
 6)各種評価・提言への積極的参加(研究開発・プロジェクト等における評価委員、審査委員の推薦)
 7)その他、必要事項

 

【会員】
4. 本連合は、宇宙環境研究に関係する学協会等のうち、本連合の趣旨に賛同し、本連合に参加して本活動の推進を図る者で、次条に基づき運営委員会にて入会を承認された法人会員、任意団体、特別会員をもって組織する。
 1)法人会員とは、法人格を有する学協会、NPO及び企業とする。
 2)任意団体とは、法人格を有しない学協会、研究会とする。
 3)特別会員とは、本連合の活動推進にあたって特に必要とされる会員とする。
5. 本連合への加盟費及び年会費は無料とする

 

【会員の権利・義務】
6. 会員は、本事業に参加する権利を有する。
7. 会員は、代表の呼びかけに応じて、参加学協会等が主催する学術講演会等において、本事業の推進に係わる講演会の開催、活動推進等に便宜を図ることとする。
8. 本連合の活動は、参加学協会の有する会誌・ニュースレター・ホームページ等を通じて報告する。

 

【役員】
9. 本連合は次の役員をおく。代表1名、副代表3名程度、運営委員(参加学協会等からの代表者各1名)。
 1)代表は本連合を代表し、会務を統轄する。運営委員会が代表及び副代表を選出する。
 2)副代表は、代表を補佐し、代表の事故の際は代行する。
 3)運営委員は、参加学協会等の推薦によって選出する。参加学協会の運営委員が代表または副代表に選出された場合、その参加学協会は別に運営委員1名を推薦できる。
10. 役員の選出は、運営委員会において決定する。
11. すべての役員の任期は、2ヶ年とし、引き続いて2期以上には重任しないこととする。

 

【運営委員会】
12. 運営委員会は、代表、副代表、運営委員によって組織され、連合の活動方針、事業計画、役員選出等を決定する。
13. 運営委員は、各学協会会員に本連合の活動・計画等に関する報告を行うとともに、会員からの要望を募る。

 

【規約の改廃、その他】
14. 本規約の改廃、その他については、運営委員会の議決を経て定める。

 

【付則】
1. 本連合の事務局を代表の所属機関におく。
2. 本連合の会期は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
3. 本規約は平成28年1月18日より施行し、初年度の会期は平成29年3月31日までとする。
4. 1期目の役員の任期は平成28年1月18日から平成29年3月31日までとする。
5. 平成29年11月14日改正。