連合の概要

宇宙惑星居住科学連合代表 挨拶

 人類初の宇宙飛行成功から60年が経過し,すでに500名超が地球を飛び出しています.国際協力の結晶である宇宙ステーション(ISS)完成からも10年が経過し,半年を超える宇宙長期滞在が繰り返されています.次なる挑戦的課題として,再び月へ,火星へと,より遠くへ,より長く,“人類の生存範囲の拡大”に対する夢は尽きません.米国が先導するアルテミス計画では,人類が再び月へ,ISSに続く有人拠点として月近傍に深宇宙ゲートウェイを建設し,さらに火星へ有人活動を展開しようとしています.宇宙への“人類の生存範囲の拡大”の夢が実現する時代へと移行しつつあります.
 宇宙では,地上と異なる重力環境,宇宙放射線環境,閉鎖環境で非日常的な極限的ストレスに曝されます.地球の生命は地球の1Gの下,誕生,進化,適応,繁栄をしてきました.しかし,宇宙空間は微小重力,月は1/6G,火星は3/8Gの低重力環境です.ISSが飛行している地上400kmには大気は無いため,地上よりも多くの宇宙放射線が降り注ぐものの,地球磁場によってまだ守られています.地球から38万km離れて地球磁場を越えた月では,量的にもISSと比べて数倍多くの宇宙放射線に曝され,質的にも生物学的効果の高い重粒子線に被ばくすることなります.また,最短でも5,400万km離れた火星までの往復と滞在期間に要する約2年半に被ばくする放射線量は日米欧露が定めたISS搭乗宇宙飛行士の生涯実効線量制限値に達します.空気が無い高真空の宇宙で身を守るためには閉鎖環境の宇宙建築物内や宇宙服に身を包まなければ生きていけません.さらに,これらの複合影響については不確定なのが実情です.
 我々の夢の実現のためには,地球外の天体に人類が長期に居住するという視点で大きな全体像を描き,極めて多岐にわたる科学的知識と種々の技術を結集することが求められています.従来の自然科学に関する研究分野に新たにどのような研究が必要であるかという議論だけでなく,社会学や心理学など人文社会系の様々な分野とも議論を行っていくことが必要不可欠です.このような背景のもと,宇宙環境に関わる研究を行う各団体が人類の宇宙での長期居住を実現する上での様々な課題や方向性を議論するプラットフォームとして,宇宙惑星居住科学連合が発足しました.代表挨拶設立当初の趣旨を尊重しつつ,現状進展する種々の宇宙プログラムの状況を踏まえながら,広汎な活動を展開して行きたいと考えておりますので,引き続きご支援の程よろしくお願いいたします.

 

宇宙惑星居住科学連合

第四期代表 髙橋 昭久

(群馬大学重粒子線医学研究センター 教授)

宇宙惑星居住科学連合第四期活動計画 2021年4月~

1)国際連携
 (国際間の科学者の相互信頼の構築,国際的学会の誘致)
・国際学術大会情報を周知する.
・宇宙環境利用シンポジウムにおいて国際的セッションの提案をする.

 

2)新分野開拓
(学協会間連携,異分野の研究者らによる人類の宇宙進出に関わる新学問分野の創生)
・加盟団体の拡充をめざす.
・加盟団体同士の連携(学協会間連携シンポジウムの開催)とその成果の公開.

 

3)研究環境の整備
(研究施設・研究費の充実)
・大型予算の獲得努力.

 

4)啓発活動
(次世代の育成,若手研究者の進路開拓,研究職の充実,教科書問題など)
・「若手の会」の活動支援をする.
・HPの充実をめざす.

 

5)社会貢献
(産官学連携による新しい産業の創出など一般社会への科学の還元)
・アウトリーチとして月惑星に社会をつくる勉強会(略称:ムーンビレッジ勉強会)との連携.

 

6)各種評価・提言への積極的参加
(研究開発・プロジェクト等における評価委員,審査委員の推薦)
・例年どおり,積極的に参加する.

 

7)その他,必要事項
・規約の見直しをする.
・2022年1月18~19日開催予定の宇宙環境利用シンポジウムと並行して,運営委員会を開催する.

宇宙惑星居住科学連合設立の経緯

 2014年10月に韓国ソウルで開催された10th Asian Microgravity Symposiumの折,当時の日本宇宙放射線研究会(JASRR)大西 武雄会長,日本マイクログラビティ応用学会(JASMA)石川 正道会長,および日本宇宙生物科学会(JSBSS)高橋 秀幸理事長が会合を持ち,本連合構想を実現することで一致しました.その後,連合の名称を「宇宙惑星居住科学連合」とすることにし,活動方針,規約,運営体制等を整備し,3学協会の承認を得るとともに,日本宇宙航空環境医学会(JSASEM)にも加盟の合意をいただき,2016年1月18日の4学協会による宇宙惑星居住科学連合の発足に至りました.当連合の発足後は,連合の趣旨に賛同する生態工学会(SEE),宇宙人類学研究会,京都大学宇宙総合学研究ユニット,東京理科大学スペース・コロニー研究センター,徳島大学大学院医歯薬学研究部宇宙食品産業・栄養学研究センター,同志社大学宇宙医科学研究センターが参画し,現在の体制となっております.
 宇宙惑星居住科学連合の運営体制は,第一期,第二期の高橋 秀幸代表(当時JSBSS理事長),第三期の藤田 修代表(当時JASMA会長)を引き継ぎ,2021年4月より第四期の体制へと移行しております.

宇宙惑星居住科学連合規約

2016年1月18日制定

2017年11月14日改正

2021年4月19日改正

 

【総則】
1. 本連合は、宇宙惑星居住科学連合(Science Union of Human Planetary Habitation in Space)、略称 SUHPHSと称する。

 

【目的及び活動】
2. 本連合は、広く自然科学の基礎科学から応用科学、さらには人間科学・社会科学に及ぶ英知を結集し、学協会・個人の連携、連合を図り、人類の宇宙での長期居住を可能とする宇宙惑星居住科学の発展を目指すとともに、若手研究者の育成、国際会議の企画・運営および社会への還元を行うことを目的とする。
3. 本連合は、前条の目的を達成するために次の活動を行う。
 1)国際連携(国際間の科学者の相互信頼の構築、国際的学会の誘致)
 2)新分野開拓(学協会間連携、異分野の研究者らによる人類の宇宙進出に関わる新学問分野の創生)
 3)研究環境の整備(研究施設・研究費の充実)
 4)啓蒙活動(次世代の育成、若手研究者の進路開拓、研究職の充実、教科書問題など)
 5)社会貢献(産官学連携による新しい産業の創出など一般社会への科学の還元)
 6)各種評価・提言への積極的参加(研究開発・プロジェクト等における評価委員、審査委員の推薦)
 7)その他、必要事項

 

【会員】
4. 本連合は、宇宙環境研究に関係する学協会等のうち、本連合の趣旨に賛同し、本連合に参加して本活動の推進を図る者で、次条に基づき運営委員会にて入会を承認された法人会員、任意団体、特別会員をもって組織する。
 1)法人会員とは、法人格を有する学協会、NPO及び企業とする。
 2)任意団体とは、法人格を有しない学協会、研究会とする。
 3)特別会員とは、本連合の活動推進にあたって特に必要とされる会員とする。
5. 本連合への加盟費及び年会費は無料とする

 

【会員の権利・義務】
6. 会員は、本事業に参加する権利を有する。
7. 会員は、代表の呼びかけに応じて、参加学協会等が主催する学術講演会等において、本事業の推進に係わる講演会の開催、活動推進等に便宜を図ることとする。
8. 本連合の活動は、参加学協会の有する会誌・ニュースレター・ホームページ等を通じて報告する。

 

【役員】
9. 本連合は次の役員をおく。代表1名、副代表3名程度、運営委員(参加学協会等からの代表者各1名)。
 1)代表は本連合を代表し、会務を統轄する。運営委員会が代表及び副代表を選出する。
 2)副代表は、代表を補佐し、代表の事故の際は代行する。
 3)運営委員は、参加学協会等の推薦によって選出する。参加学協会の運営委員が代表または副代表に選出された場合、その参加学協会は別に運営委員1名を推薦できる。
10. 役員の選出は、運営委員会において決定する。
11. すべての役員の任期は、2ヶ年とし、2期を超えて重任しないこととする。

 

【運営委員会】
12. 運営委員会は、代表、副代表、運営委員によって組織され、連合の活動方針、事業計画、役員選出等を決定する。
13. 運営委員は、各学協会会員に本連合の活動・計画等に関する報告を行うとともに、会員からの要望を募る。

 

【規約の改廃、その他】
14. 本規約の改廃、その他については、運営委員会の議決を経て定める。

 

【付則】
1. 本連合の事務局を代表の所属機関におく。
2. 本連合の会期は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
3. 本規約は平成28年1月18日より施行し、初年度の会期は平成29年3月31日までとする。
4. 1期目の役員の任期は平成28年1月18日から平成29年3月31日までとする。
5. 平成29年11月14日、令和3年4月19日改正。